Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 109.804 caracteres · 225 pantallas

Aozora Bunko

調子で書いてあるのです。

「筆跡は?」

「堅い字でした。今時あんな字を書く者は滅多にありません。女子供やお店者の筆跡じゃございません」

総右衛門は言うのです。

「紙は?」

「ただの半紙だ。――どこでも売っている」

留吉が応えます。

「店へ投り込むのは、どんな時だ」

「朝早くか、夕方――薄暗くなってからでございます。誰か気が付いて拾いましたが、投り込んだ者の姿は見たものもございません」

「御主人の弟――豊次郎さんとか言ったね、あれは本当の弟じゃあるまいね」

「義理の弟でございますよ。私の先妻の弟で」

「子供さんたちは」

「皆んな本当の子でございます。今の家内の生んだのばかりで、――倅はよく店を手伝ってくれますが、娘はただもう我儘を言うばかりで」

その我儘が可愛くてたまらない様子です。

「誰かに怨まれている覚えはないだろうか、金のこと、縁談のこと、公事(訴訟)、揉事など――」

「なんにもございません。金も少しは融通しておりますし、土地も家も人様に貸しておりますが、無理な取立てはいたしません。縁談もまだ決った口がないので、心配しております」

「あのお町――という娘は?」

「この成瀬屋の先代の娘でございます。