Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lee 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 160.888 caracteres · 317 pantallas

Aozora Bunko

がようやく仕事を覚え、肌も茶色にやけてくると、まったくなかまに溶け込んでしまい、もはや彼に注意するような者は一人もいなくなった。

赤痣がある以外に、彼は他のなかまと特に違ったところはなかった。ものやわらかで、腰が低く、よく働いた。眼立つようにではなく、人の気づかないこと、人のいやがるような仕事をすすんでやった。初めは誰でもそんなふうにするものだ、精勤を見せかけるために、あるいは新しい仕事に対する興味に駆られて、――しかし彼はそのどちらでもなく、もっと素朴な、それが自分の仕事であるという、ごくあたりまえな態度であり、半年経ち、一年ちかく経っても、その仕事ぶりに変りはなかった。少なくとも、他の十五人のなかまと同様に、その表面だけはそうであった。

心ない人の眼にどう見えようとも、かれらも人間であり、男であり女であった。まる坊主で、下帯だけの裸躰が石灰粉にまみれ、口もきかず、仮面のように無表情で、誰が誰ともたやすくは区別しがたいながら、その内部にはやはり怒りがありよろこびがあり、悲しみや嘆きや、いろいろな欲望があったにちがいない。むしろ、必要に強いられた沈黙と、石灰粉との殻に閉じこめられているだけ、よけいに、かれらの内部にある人間感情は激しく、あらあらしく、衝動的であったかもしれない。