Clásicos japoneses con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lee 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 21.327 caracteres · 43 pantallas
ご承知の通り、手前は当今、ほうぼうの役割部屋で養われている名もない権八、これで功名しようの、あなたをやっつけようの、そんな娑婆ッけは毛頭ない。……ただもう、その無実の人間を助けるのが道楽とでも申しますか……」
藤波は、キュッと眼尻をつりあげて、
「だいぶ、気障なセリフがまじるようだが、では、あなたは芳太郎が無実だという、たしかな証拠をにぎっているとでも言うのか」
「証拠になるかならないか、それは、これからご相談しようと思うのですが……」
おほん、と咳ばらいをして、
「このたびのあなたのお手あての理由は、芳太郎という子供が、時ならぬ朝の六ツごろ、白地に赤二本引きの丹後縞のけん凧をあげた。……これが金座から御用金がでる半刻ほど前。……あなたのお見こみでは、立馬左内が、きょう間もなく御用金が金座を出るのを知って、稲荷河岸あたりで待っている一味の石船にそれを合図するため、どこからでも目立つ白地に赤びきの長崎凧を、せがれの芳太郎にあげさせた……。それにちがいはありませんか」
藤波は冷然たる面もちで、
「いかにもその通り、それが?」
「まあ、平に平に……。それが、その凧をどこかの凧が切って持って行った。