Clásicos japoneses con furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Lee 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 130.271 caracteres · 263 pantallas
二人に関する昨夜以来の成行を、ここで簡短に説明せねばならぬ。
前にも記す如く、お葉は自分にも判らぬ心理状態の中に此の山中へ誘われ、此の窟の奥に囚われて了った。重太郎と山とは夜の更けるまで帰って来なかった。
「妾は何うして斯んな処へ来たんだろう。」と、時の経つに従って、お葉は夢から醒めたように考えた。今日一日のお葉は、自分ながら何が何うしたのか殆ど判断が付かなかった。或は酔い、或は醒め、或は夢み、自分の頭脳は種々の混乱を来した末に、お杉婆の威嚇的命令の下に重太郎の嫁たるべく約束した。が、考えて見ると斯んな馬鹿馬鹿しいことは無い。妾は気でも狂ったのか知らと、お葉はつくづく自分の馬鹿馬鹿しさに愛想を竭した。
で、何は扨措いても、斯んな処に長居すべきでない。自分は東京深川生れのお葉さんである。自分の身状が悪い為に、旅から旅を流れに渡って、「行くにゃ辛い」と唄にまで謳わるる飛騨の山家に落ちて来たが、それでも自分には自分の生命が有る、自分には自分の恋が有る。こんな山奥へ引摺込まれて、人だか※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)だか判らぬような怪物共の玩弄にされて堪るものか。