Clásicos japoneses con furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Lee 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 130.271 caracteres · 263 pantallas
吉岡の阿母さんも急いで居るんだからな。」
「でも、一月や二月を争うこともありますまい。」
「むむ。阿母さんはまア何うでも可いとしても、冬子さんが嘸ぞ待っているだろう。」
市郎は少しく顔を染めた。
「まあ、可い。」と、父は首肯いて、「そんなら其様に吉岡の阿母さんの方へも云って置こうよ。倅は何うも冬子さんを嫌っているようですから、婚礼は当分延しますと……。はははははは。」
安行は我子に対っても、何時も平気で冗談を云うのだ。市郎も笑って聞いていたが、やがて例の一件を思い出した。
「阿父さん。あなたに伺ったら判るでしょうが、昨夜彌作の家で鶏を奪られたそうですね。」
「むむ。七兵衛がそんなことを云ったよ。」
「私も七兵衛から聞いたんですが、山※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)が奪ったとか云うことです。一体、※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)なんて云うものが実際居るんですかね。」
「さあ、居るとも云い、居ないとも云うが、俺にも確然とは判らないね。」
「けれども、彌作は確に視たと云いますが……。どうも不思議ですよ。」
「不思議だね。」