Clásicos japoneses con furigana
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かけおち
駈落
佐左木 俊郎
Lee 駈落 (かけおち) de 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 6287 caracteres · 13 pantallas
「俺あ、ほんとに腰骨折れっかと思った。眼さ、汗は入えっし……」
「うむ重かったさ。――それにしても、よくこんなに刈れだで。」
「なあに、あの……」と菊枝は、語尾を濁した。
実際、菊枝は、こんなに多くの草を刈って帰って来たことは無かった。いつも彼女の刈って来る量は、一回投げ込むだけのものであった。だから、午に投げ込むのと、夕方のとは、彼女の爺さんが、一日がかりで刈ることになっていた。併し、今朝は、彼女は不思議にも、いつもの二倍も刈って帰って来た。
「これなら婆さん、今朝は、半分やっていがんべ?」と彼女は、濁しかけた言葉を巧みに言い更えた。
「いいども、爺つあんはあ、なんぼか悦ぶべ。」
「ああ、暑かった。」
菊枝は、もう一度こう言って、まだ赤くなっているその顔を、手で拭きながら、婆さんと一緒に馬小屋の前をはなれた。
「冷てえ、井戸水で面洗って。もうお飯はあ出来でっし、おつけも、この茄子せえ入れればいいのだから、早く食ってはあ。――片岡さ行ぐのに遅ぐなんべ。」
婆さんはそう言い捨てて、茄子を洗いに井戸端へ行った。
二
爺さんは、むっつりと、苦虫を噛みつぶしたような面構えで、炉傍に煙草を燻かしていた。