Clásicos japoneses con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Lee 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 261.216 caracteres · 521 pantallas
わしは畳代えの職人で、名前はかりに六蔵といっていた。あの奥の十八畳の部屋、十二畳の客間、六畳の茶の間、十畳の書院」
孫兵衛は自分の旧屋敷の畳数を心でかぞえた。世阿弥のいうところ一畳の間違いもない。
「そして、玄関、女中部屋、仏間だな。話はその仏間から起こってくる。そこの古いお厨子は青漆塗りで玉虫貝の研ぎ出しであったかと思う、その厨子の前へ、朝に夕に眉目のいやしくない老婆が、合掌する、不思議はない、御先祖を拝むのだ。ところがそこから不思議が生れた、わしが、畳代えの手をかけた日に、敷きつめの工合をなおす響きから、お厨子のそばの柱がポンと口を開いた。ちょうど、平掌が楽に入るくらい、切り嵌めになっている埋木がとれて落ちたのだ」
「ウーム、分った」
「分ったろう」
「じゃてめえは、それが縁になって、半年ほど下男になっていたあの六蔵か」
「そうだ、お前の母親は、それからぜひ屋敷にいてくれという、わしも都合のいいことだ、隠密甲賀世阿弥は当分下男ということに早変りした。するとまもなくお前の母者人が重病にかかった。うすうす事情を眺めていると、その当時、関屋孫兵衛というひとり息子、博奕は打つ、女色にはふける、手のつけられない放埒に、それが病のもとらしかった」