Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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かんかんむしはうたう

かんかん虫は唄う

吉川 英治

Lee かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 91.006 caracteres · 182 pantallas

Aozora Bunko

ふたりの間には、同時に、おそろしく早口な、広東ごろつきのアクセントで、喧嘩じゃないかと思うような会話がはじまった。

「張じゃねえか、なんだッて、非常ベルなんぞを鳴らすんだ、ばか野郎め」

「今ネ、親方、あっしが、急用があって、ここへ来ると、水上警察のお巡りが、いやにうろついているんでさ」

「どこに?」

「この南京街界隈に」

「それや、何も、おれたちの阿片窟をかぎあるいているわけじゃねえだろう。お巡りを見るたんびに、驚いていたひには、居留地に住んじゃいられねえぜ」

「そんな手緩いんじゃありませんや。二十一番館の四ツ辻と、前田橋通りじゃ、非常線を張っているんで。――おまけに、あっしの後からも、私服らしいのが尾けて来たようですから、そいつを撒いて、一巡りして戻って来ると、またここの入口をのぞいている奴がある。で、あっしも、こいつアてっきり、今朝の一件から、巣が割れたなと思ったんで、隣家のベルを押したんです」

「そりゃ、トム公をさがしているお巡りだろう。――だが今朝の一件というなあ、なんだ」

「まだ聞きませんか、明け方の騒ぎを。谷戸橋の袂は、たいへんな人だかりですぜ」

「オヤ、もう夜が明けているのか」