Clásicos japoneses con furigana
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こころ
こころ
Lee こころ de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 160.915 caracteres · 322 pantallas
「こんど東京へ行くときには椎茸でも持って行ってお上げ」
「ええ、しかし先生が干した椎茸なぞを食うかしら」
「旨くはないが、別に嫌いな人もないだろう」
私には椎茸と先生を結び付けて考えるのが変であった。
先生の返事が来た時、私はちょっと驚かされた。ことにその内容が特別の用件を含んでいなかった時、驚かされた。先生はただ親切ずくで、返事を書いてくれたんだと私は思った。そう思うと、その簡単な一本の手紙が私には大層な喜びになった。もっともこれは私が先生から受け取った第一の手紙には相違なかったが。
第一というと私と先生の間に書信の往復がたびたびあったように思われるが、事実は決してそうでない事をちょっと断わっておきたい。私は先生の生前にたった二通の手紙しか貰っていない。その一通は今いうこの簡単な返書で、あとの一通は先生の死ぬ前とくに私宛で書いた大変長いものである。
父は病気の性質として、運動を慎まなければならないので、床を上げてからも、ほとんど戸外へは出なかった。一度天気のごく穏やかな日の午後庭へ下りた事があるが、その時は万一を気遣って、私が引き添うように傍に付いていた。