Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lee みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 265.437 caracteres · 530 pantallas

Aozora Bunko

梁川君は、西田市太郎君と云うて紹介し、「実地の経験には、西田さんに学ぶ所が多い」と附け加えた。話は種々に渉った。彼は聖書に顕れた耶蘇基督について不満と思う所は、と梁川君に問うた。例せば実なき無花果を咀った様な、と彼は言を添えた。梁川君は「僕も丁度今其事を思うて居たが、不満と云う訳ではないが、耶蘇の一特色は其イラヒドイ所謂 Vehement な点にある」と答えた。話は菜食の事に移って、彼は旅順閉塞に行く或船で、最後訣別の盃を挙ぐるに、生かして持って来た鶏を料理しようとしたが、誰云い出すともなく、鶏は生かして置こうじゃァないかと、到頭其まゝにして置いた、と云う逸話を話した。梁川君は首を傾げて聴いて居たが、「面白いな」と独語した。一座の話は多端に渉ったが、要するに随感随話で、まとまった事もなかった。唯愉快に話し込んで思わず時を移し、二時間あまりにして西田君列と前後に席を立った。

其れから其足で三崎町の東京座に往って、舞台裏で諸君のあとから彼もブース大将の手を握るの愉快を獲た。大将は肉体も見上ぐるばかりの清げな大男で、其手は昨年の夏握ったトルストイの手の様に大きく温であった。