Clásicos japoneses con furigana
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ゆだんたいてき
ゆだん大敵
山本 周五郎
Lee ゆだん大敵 (ゆだんたいてき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 20.664 caracteres · 41 pantallas
六
六
わが子の為人に就いては、権之助は誰よりも熟知しているつもりだった、それで朝晩二回ずつ、道場へ出てつぶさに稽古ぶりを見た。
……だがどうしても納得がいかないのである。久之助は門人と木剣を持って相対する、両方ともむろん素面素籠手である、相対して呼吸が合うと門人が打を入れる、それでおしまいなのだ、「気合が充実していない」とか、「眼が違う」とか、「神が遊んでいる」とか、簡単な指摘をして次ぎの者に代らせる、幾たび回っても一度だけ打を入れるばかりで、要するにかなりじれったい稽古であった。
「武士が刀を抜く場合は二つしかない」
久之助はよくそう云った。
「……其の一は御奉公のため、其の二は自分の武道の立ちがたい恥辱をうけたときだ、そしてどちらの場合にも抜くからには絶対である、必ず相手を斃さなくてはならぬし、おのれの死も免れない、要するに稽古の眼目はそこにあるのだ、一生に一度、抜いたら必ず敵を討止める剣、……これを眼目だと思って貰いたい」
そうしてひたすら一刀の打だけを稽古させるのであった。そしてそれよりも厳しいのは日課の雑事である。火桶の炭のつぎ方、拭き掃除、薪割り、畑作り、さらに寝ざまから夜具のあげおろしまで、なぜそんなに厳重にするのか不審なほどびしびしやられた。