Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

あたらしいしんわをおいもとめつつ

アフォリズム

中井 正一

Lee アフォリズム (あたらしいしんわをおいもとめつつ) de 中井 正一 (なかいまさかず) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 1417 caracteres · 4 pantallas

Aozora Bunko

霧の中のヨードル

一九二二年頃の事である。

朝日新聞が写真班を組織して、富山から大町へぬけるコースを募集したことがあった。藤木九三氏、長谷川写真班員等も同行した。

そのとき剱と立山の「主」、かの有名な長次郎と平蔵がその郎党と共にこの行に参加した。

私も、写真機を肩に、一学生として、加わったのであった。

最後のコースは平の小屋、ザラを越えて、大町にぬけるコース。ザラにかかったのは昼であった。

山のピークは晴れ渡っていた。

数里へだたっている立山の頂上の神社の太鼓の音が、虚ろなほど寂かな空気の中を鮮かに、しかし、かすかに、広く広く空を真っ直ぐにわたって聞えて来る。

長次郎は私をいざなって、一つのピークに立った。そして昔の山びと特有のヨードルを高らかに放った。鳶の鳴き方に一寸似た、“Oho………horrr………ooo”という様な、美しい声であった。

声は遠く寂けさの中に消えて行った。しばらくして、思いかけず、見ゆる峰々から「木霊」が帰ってくる。

一つ二つ三つ……四つ。

そして、もとの空虚な深い孤独感の様な、静寂にかえって行った。

ところが、耳をうたがったのであるが、霧の底から、同じヨードルが帰って来た。