Clásicos japoneses con furigana
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ニッケルのぶんちん
ニッケルの文鎮
甲賀 三郎
Lee ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 18.523 caracteres · 37 pantallas
あたし読んでいるうちに蒼くなっちゃったわ。
『私はきっと清水に殺されるに違いない。
私はほんの僅かな借金が原因で、清水に長い年月苛なまれて来た。私はただ彼の奴隷として生き永らえたのだ。私は涙を呑んで堪え忍んだ。私は研究が可愛かったのである。私はただ研究が完成したかったのだ。ところが清水は私のその大切な研究を金になりさえすればというので、密かに窺っているのだ。彼は一方に私の復讐を恐れるのと、一方にこの研究を手に入れたい為に私を邪魔にしているのだ。私はきっと清水に殺されるに相違ない。もし私が変死をすれば、それは清水の手にかかったのだ――』
よく覚えていないけれども文章はまあこんな風だったと思うわ。奥さんのいいつけでこの遺書を持って検事さんの所へ行くと、流石のお爺さんも驚いたようだったわ。それから一時間程して、清水の業突張りが書斎へ連れられて来たの。まるで死人のような真っ蒼な顔をしていたわ。何しろ文鎮には立派に清水の指紋がついていた事が判ったのでしょう。前夜遅くまで家に帰らなかった弁解は出来ないし、先生との関係がどんな風だか、下村さん達がいったし、それに先生の書き置きでしょう。