Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

Lee 三国志(八) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N1. Toca una palabra para ver el significado.

N1 · avanzado · kanji y kana modernos · 195.604 caracteres · 391 pantallas

Aozora Bunko

「隴西の青麦は莫大な量です。あれを刈れば優に蜀軍の食は足りましょう」

「ご辺は渭水にあって、しかと祁山へ対しておれ。司馬懿みずからこの軍を率いて、隴西に出で向う孔明の目的を挫いてみせん」

彼はこう意図した。渭水の陣には張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)と四万騎をのこしたのみで、その余の大軍すべてを動かし、彼自身、これを率いて、隴西へ向った。

仲達の六感は誤らなかった。時しも孔明は、隴西の麦を押える目的で、鹵城を包囲し、守将の降を容れて、

「麦は今、どの地方がよく熟しているか」

と、その降将に質問していた。

「ことしは隴上のほうが早く熟れているようです。それに隴上のほうが麦の質も上等です」

こう聞いたので、孔明は、占領した鹵城の守りには、張翼と馬忠をとどめ、自ら残余の軍をひきつれて、隴上へ出て行った。

すると、先駆の小隊から、

「隴上には入れません。すでに魏の軍馬が充満しており、中軍を望むと、司馬懿仲達の旗が見えます」と報じて来た。

孔明は舌打ち鳴らして、

「あれほど密に祁山を出てきたが、彼はもう我の麦を刈らんことを量り知ったか。――さもあらば仲達にも不敗の構えあることであろう。