Clásicos japoneses con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lee 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 241.861 caracteres · 480 pantallas
この深い悲哀の中にも。
ただ一条、かすかによろこびの光線とも思われるのは、父があんなに待ったにもかかわらず、とうとう源三郎様がまに合わないで、死にゆく父の枕頭で、いやなお方と仮りの祝言のさかずきごとなど、しないですんだこと。
源三郎の名を思い起こすと、萩乃はどんな時でも、われ知らず身ぶるいが走るのだった。
伊賀のあばれん坊なんて、おそろしい綽名のある方、それは熊のような男にきまっている……ふつふつ嫌な――!
その源三郎が、どういう手ちがいか、いまだ乗りこんでこないのだから、いくら父のとり決めた相手でも、今となっては、じぶんさえしっかり頑張れば、なんとかのがれる術があるかも知れない――。
それにしても、源三郎の名がきらいになるにつけて、日とともに深められていくのは、あの、植木屋へのやむにやまれぬ思慕のこころ……。
あの凜とした植木屋の若い衆を想うと、その悲痛のどん底にあっても、萩乃は、ひとりでポッと赧らむのです。
「じぶんとしたことが、なんという――しかも、この、お父様のお葬式の日に……」
いくら自らをたしなめても、胸の一つ灯は、逝きにし父へのなみだでは、消えべくもないのだ。