Clásicos japoneses con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lee 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 241.861 caracteres · 480 pantallas
早朝卯の上刻から、お呼び寄せの大太鼓が、金線を溶かしたお城の空気をふるわせて、トーッ! トウトーットッとお櫓高く――。
参覲交代で江戸に在勤中の大名は、自身で、国詰め中のものは、代りに江戸家老が、おのおの格式を見せた供ぞろい美々しく、大手から下馬先と、ぞくぞく登城をする。
御本丸。柳の間は、たちまち、長袴に裃でいっぱい、白髪、若いの、肥ったの、痩せたの……。
内藤豊後守は、狆のような顔をキョトキョトさせ、小笠原左衛門佐は、腹でも痛いのか、渋い面だ。しきりに咳をする松平三河守、癖でやたらに爪をかんでいるのが、彦根侯、井伊掃部頭――子孫が桜田の雪に首を落とそうなどとは、ゆめにも知らないで。
正面、御簾をたらした吉宗公のお座席のまえに、三宝にのせた白羽の矢が一本、飾ってある。
あの矢が誰に落ちるかと、一同、安きこころもない。
「イヤどうも、百姓一統不景気で――」
「拙者の藩などは、わらじに塩をつけて食っておるありさま、窮状、御同情にあずかりたい」
殿様連、ここを先途と貧乏くらべだ。
当てられてはたまらないから、いかに貧的な顔をしようかと、苦心惨澹。
「あいや、伊達侯……先刻よりお見受けするところ、御貴殿、首をまっすぐに立てたきり、曲がらぬようじゃが、いかがめされた。