Clásicos japoneses con furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lee 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 149.721 caracteres · 296 pantallas
「親たちといっしょに火事で死んだんですって」とおりうは云った、「――でも人の一念というものは恐ろしいから、お師匠さんも用心するほうがよくってよ」
「そんな、子供を威すようなことを、――冗談じゃあねえ」彼はまた汁椀にいっぱい酒を注ぎ、それを残らず呷った、すると急に酔いが出たようすで、へらへらと笑った、「冗談じゃねえ」と彼は云った、「――女房が浮気をするのは、亭主にそれだけの甲斐性がなかったからだし、その娘にしたって、恨むならおふくろを恨むのが本当だ、そんなことで番たびとり殺されてたひにゃあ、私なんぞ命が幾つあったって足りゃしませんよ」
「聞かせてやりたいわね」おりうの眼があやしく光った、「それを聞いたらさぞ、あの世でおしのさんがくやしがるでしょう」
「骨になっては歯ぎしりもできやしねえさ」
おりうがすっと立ちあがった。眼に見えないなにかの力で、上から吊りあげられるような動作で、蝶太夫はびっくりした。
「どうしたんです、急に」
「あたしもいただくの」とおりうは云い、半纒をぬいだ、「これをぬいで来るから、待っていてね」
おりうは次の間の襖をあけて、ぬいだ半纒を投げ、すぐにこっちへ戻って来た。