Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lee 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 149.721 caracteres · 296 pantallas

Aozora Bunko

「その女が下手人なら、御褒美のさがるようにしてやるよ」

おはなは唇を舐めて、「でももしかして」と云いかけたが、そこへ与助が戻って来た。

「支度ができました」と与助が云った、「私が御案内いたします」

「おまえも来てくれ」と千之助がおはなに云った。

伴れてゆかれたのは離れだった。

こっちも田舎ふうの造りらしいが、二人のはいった部屋は納戸のような六帖で、床の間と違い棚はあるが窓はない。灯のはいった行燈と、燗鍋のかかった火鉢の側に酒肴の膳、そして角樽が置いてあった。一方の壁には、坐っていて眼の高さに小さな窓のような枠があり、縦三寸横一尺ほどの滑り戸が付いていた。

「ちょっとごらん下さい」あるじは千之助を呼んだ、「この戸をあけると隣りが見えます、いいえ向うはまだ来てはおりません」

千之助は戸をあけた。桐で作ってあるし、みぞには蝋をひいたらしく、その戸は軽く、そして音もなくあいた。戸のうしろは紫檀の板が嵌めてあり、その中央に小さな、横に細い穴が二つあいていて、覗いてみると隣り座敷がかなりよく見えた。千之助はその穴をしらべ、そこに黒い紗の張ってあるのを認めた。

「隣りの壁はそこが貼り絵になっていまして」