Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lee 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 149.721 caracteres · 296 pantallas

Aozora Bunko

佐吉を桝屋から抜いたのはおしのである。毎月一両という手当で縛り、いまでは根岸に住んでいて、十日に一度ずつおしのを「みまい」といって訪ねて来る。彼はおしのにとってなくてはならない人間であった。佐吉は母の情事をとりもって来た男で、母の相手を捜すにも、また必要なことをしらべるにも、彼の過去や性質はうってつけであったし、また彼自身、おしのに支払わなければならないものを持っていた。

風邪で寝ているあいだ、おしのは「丸梅」の源次郎のことを思った。

――なんという悪い人だろう。

十五にしかならない、田舎の小娘に手を出し、子供を二人も産ませておいて放り出す。しかも子供の一人を「自分の子ではない」と難くせをつけた。おそらく、暇を出されたばあやというのをだきこんだのだろう、証人まである、と云うに至っては下の下だ。

「そんなことができるものだろうか」寝床の中でおしのは自分に問いかけた、「いくら悪いといったって、人間にそんな非道なことができるものだろうか」

おつるの一方口だけ信じては、誤りではないだろうか。おしのは気をしずめるようにそう反問した。けれどもすぐに、「否」と、枕の上で首を振った。