Clásicos japoneses con furigana
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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
Lee 凡人伝 (ぼんじんでん) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 98.944 caracteres · 202 pantallas
あんなことは迷信ですよ」
「いゝえ。私が行者に頼んで除けをしたからですわ」
「はゝあ、少し利き過ぎましたね」
「十人生れて一人も欠けないなんてことは滅多にありませんよ。私は降っても照っても毎日八幡さまへお詣りをしますからね」
「はゝあ、それも利いているんでしょう」
「耶蘇になったからって氏神さまを棄てるようじゃ駄目ですよ。皆してお礼詣りに行っていらっしゃい」
と母親は信心家だ。私は早速妻子を連れて出掛けた。途中数名の知った顔に出会った。その中に小学校時代の喧嘩相手国分君がいた。挨拶は交したものゝ、私達をやり過してから、
「耶蘇の会かやあ? それとも皆友さんの子かやあ?」
と大きな声で同伴の男に言った。或は諢ったのでなくて、本当に然ういう疑問が起ったのかも知れない。或日、母親が、
「友一や、お前は能く学校が勤まるね?」
と訊いた。
「何故ですか?」
「家の中がまるで運動会のようですもの。私は頭が痛くなってしまいますよ」
「大勢でさぞ御迷惑でしょう」
「可愛いには可愛いけれど、私は迚も東京へなんか行けませんよ」
「それは困りましたな。お父さんは何ういうお考えでしょうか?」
「もう少し長生をしたいって言っていますわ」