Clásicos japoneses con furigana
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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
Lee 凡人伝 (ぼんじんでん) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 98.944 caracteres · 202 pantallas
「友ちゃん、木の根で頭をこくれ」
と徳さんが寄って来た。
「よし」
と私は国分の頭を両手で捉えて、木の根へコツ/\当てた。この方が撲るより痛い。
「何うだ?」
「…………」
「これでもか?」
「もう宜い」
「あやまれ」
「…………」
「これでもか?」
「悪かった」
と国分も竟に観念した。放してやったら、起き直ってボイ/\泣き出した。
「友ちゃん、序だ。此奴等もやってしまえ」
と徳さんは三人を睨んだ。
「僕達は何にも関係ない」
と三人は後退をした。
「いや、ある。友ちゃん、修学旅行の時のは此奴等だろう?」
「然うだけれども、あれは国分に煽てられたんだからもう宜い」
と私は国分丈けで草臥れていた。
「兎に角、あやまれ」
と徳さんは撲り兼ねない権幕だった。
「失敬しました」
と三人は私にあやまった。同級の有志が鳥居のところまで来て見物していた。
私はこの日をもって模範生を脱却した。国分はもう私に頭が上らない。他の連中も私を恐れ始めた。以来私は卒業まで餓鬼大将として押し通した。子供のことを小さな野蛮人というが、実際然うだ。野蛮人社会に聖人君子を気取っているほど損なことはない。私は国分を撲って、初めて存在を認められた。