Clásicos japoneses con furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lee 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 127.035 caracteres · 254 pantallas
「俺の命もここで終えるか」――こう思うと残念ではあったが、遁がれ出ることも出来そうもない。床は部厚の石畳であり四方の壁も石である。たった一つの戸口の扉には外から閂がおろされてある。……キー、キー、キー、キー、天井は央まで下りて来た。
紋太夫は切歯したものの、坐っていることが出来ないので、ぴったり石畳へ横臥した。間もなく天井は部屋の高さの三分の二まで下がって来た。しかも尚も下がり止まない。やがて紋太夫は背の辺へ天井の重さを感じるようになった。とうとう天井が彼を殺すべく背まで下がって来たのである。
「もういけねえ」と紋太夫は観念の眼を堅く閉じた。「大日本国の武士が、異国も異国南米の蛮地の、しかも不思議な窟の中の日の目を見ない妖怪国で、野蛮人どもの姦計に落ち、釣天井に圧殺されようとは! 無念も無念、残念ではあるが、これも、天命のしからしむるところか。――あ、苦しい! 息詰まるわい!」
もう一押し押されたなら、紋太夫の体はひとたまりもなく、粉微塵になろうと思われた。と、その時、彼の寝ている厚い石畳の真下に当たって、コツコツコツコツと音がした。
こういう危険の場合にも、紋太夫は正気を失わない。