Clásicos japoneses con furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Lee 反抗 (はんこう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 140.121 caracteres · 282 pantallas
一
井上周平は、隆吉を相手に、一時間ばかり、学課の予習復習を――それも実は遊び半分に――みてやった後、すぐに帰ろうとした。其処へ保子が出て来て、心もち首筋から肩のあたりへしなを持たせた様子と、かすかに開いた唇から洩れる静かな含み声とで、彼を呼び止めた。
「井上さんちょいと!」
例のことだな、と周平は思った。そして、月の最終の日だということに妙な憚りを置いて、すぐに帰ろうとした自分の態度が、自ら卑屈に感じられた。
彼は少し顔を赤めながら、保子の後について茶の間へ通った。
「今日は急ぐんですか。」
「いいえ、別に……。」と周平は口籠った。
「そんなら、ゆっくりしていらっしゃいよ。いま珈琲でもいれますから。」
「ええ」と彼は答えたが、一寸極りが悪かった。そして、腰を立てようか落着かせようかと思い惑っていると、真正面から保子の言葉が落ちかかった。
「あなたはまだ、妙な遠慮をしてるのね。」
小さくはあるが、奥深く澄み切った眼で、じっと顔を見られると、周平は度を失ってしまった。仕方なしに眼を伏せて、頭を掻いた。
保子は更にいい進んだ。
「何も遠慮することはないでしょう。