Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

へんなおと

変な音

夏目 漱石

Lee 変な音 (へんなおと) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 3763 caracteres · 8 pantallas

Aozora Bunko

上

上

うとうとしたと思ううちに眼が覚めた。すると、隣の室で妙な音がする。始めは何の音ともまたどこから来るとも判然した見当がつかなかったが、聞いているうちに、だんだん耳の中へ纏まった観念ができてきた。何でも山葵おろしで大根かなにかをごそごそ擦っているに違ない。自分は確にそうだと思った。それにしても今頃何の必要があって、隣りの室で大根おろしを拵えているのだか想像がつかない。

いい忘れたがここは病院である。賄は遥か半町も離れた二階下の台所に行かなければ一人もいない。病室では炊事割烹は無論菓子さえ禁じられている。まして時ならぬ今時分何しに大根おろしを拵えよう。これはきっと別の音が大根おろしのように自分に聞えるのにきまっていると、すぐ心の裡で覚ったようなものの、さてそれならはたしてどこからどうして出るのだろうと考えるとやッぱり分らない。

自分は分らないなりにして、もう少し意味のある事に自分の頭を使おうと試みた。けれども一度耳についたこの不可思議な音は、それが続いて自分の鼓膜に訴える限り、妙に神経に祟って、どうしても忘れる訳に行かなかった。あたりは森として静かである。