Clásicos japoneses con furigana
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おおおかえちぜんのどくりつ
大岡越前の独立
直木 三十五
Lee 大岡越前の独立 (おおおかえちぜんのどくりつ) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 11.968 caracteres · 24 pantallas
十一
「法は、時世と共に、移るもので不変ではない。わしの考え、わしが越前なら、天一坊の処分は、菅笠が無くとも、こう考えてよかろうのう。つまり、その時代の人心に、司政者に利のある時には、法を枉げてもよい、と。天一坊の場合は、明かに、かかる者を御落胤として認める事は、天下人心によろしくも無く、御当代の為にも不為じゃ。こういう時には、仮令、証拠品が無くとも、贋者として処断する、つまり、法の活用じゃ」
「至極――至極」
と、信祝は、稲葉へ頷いた。板倉が、
「それでは、処分は、五手がかりと致そうか」(五手がかりは、南北町奉行、寺社奉行、お目付、老中総立合いの裁判である)
「よろしかろう。世間にもいろいろと取沙汰のある折柄、処断を明かにするのは利益であろう」
「それでは、月番の足下に、御頼み申そう。ああ、肩の荷が降りた。そこでさきの話のつづきじゃが、その女が?」
と、信祝は、板倉の顔をみた。
十一
天一坊の処刑が済んでから、暖かい一日、安藤帯刀老人が、越前守を訪ねた。そして、話の末に、
「あの菅笠は、真正で御座るか」
と、自分の計画が、何の程度大岡を欺き得たかを知りたさに、と同時に、それは、越前守の器量を試す事にもなるという意味から、聞くと、越前は、微笑して、