Clásicos japoneses con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lee 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 349.705 caracteres · 678 pantallas
それは燧をきった音であるか、ピグミーの軽薄な口拍子であるか知れないが、とにかく行燈に火が入りました。
「さあ、弁信さん、今晩は寝かしませんよ、人の期待に反いておいて、自分だけが平和の安眠と、極楽の甘睡とを貪ろうとしても、それは許されません」
ピグミーは、小さい胡坐を一つ組んで、両手でもってその向う脛と足首のところを抱え込んで、ならず者が居催促に来たような恰好をして、寝入りばなの弁信に退引させまいとの構えです。
「いけません、今晩はお前さんの相手にはなれませんよ」
「意地の悪いことをおっしゃるものじゃありませんよ、弁信さんらしくもない」
「いいえ、わたくしは今晩は、何といっても相手になりません、しかし、お前さんが話したいという気持と、わたしを寝かすまいという圧迫に、わたしは干渉をしようとは思いませんから、話したければお前さんひとりで、そこでお話しなさい、わたしはまたひとりで、眠れるだけ眠りますから、そこはおたがいの留保として、では、わたしはこれから眠ります、お前さんは勝手に話しなと何なとなさい――さめるまで、わたしは御返事を致しません」
「これは御挨拶ですね、そう言われてみれば仕方がない、先方がこっちの自由と勝手とを尊重して下さることに対して、こちらも先方の安眠と甘睡を妨害すべき理由を見出すことができませんからね