Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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てんしゅかくのおと

天主閣の音

国枝 史郎

Lee 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 38.941 caracteres · 79 pantallas

Aozora Bunko

一八

「では何うして御金蔵の中を?」

三十四、五の一人物――即ち白石治右衛門が訊いた。

「まずゆっくり滞在し、機会を待つより仕方あるまい」

この時人の気勢がした。

廊下に誰かいるらしい。

辷るように歩く足音がした。

「殿、何者か、私達の話を、立ち聞きしたようでございます」

吉田三五郎は不安そうに云った。

「うむ」

と云ったが越前守は、気に掛けない様子であった。

一八

「旦那、大変でございますよ」

番頭の顔は蒼褪めていた。

「何んだい番頭さん大仰な」主人の仁右衛門は怪訝そうに訊いた。

「旦那、何んだじゃありませんよ。三人の江戸のお客様、大変な人達でございますよ」

「それじゃあ何かい兇状持かい?」

「飛んでもないことで、大岡様ですよ」此処で番頭は呼吸を継いだ。「大岡越前守様のご一行で」

そこで番頭は立聞をした、三人の話を物語った。

主人の仁右衛門は腕を組んだ。

「これはうっちゃっては置けないね。町役人迄届けて置こう」

「それが宜敷うございます」

そこで仁右衛門は家を出た。

仁右衛門の話を耳にすると、町役人は仰天した。

そこで上役に言上した。上役から奉行へ伝言した。奉行から家老へ伝言した。