Clásicos japoneses con furigana
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lee 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 201.379 caracteres · 394 pantallas
次郎の喉で泣きじゃくりの残りがひくっと音をたて、彼は手の甲で眼を拭いた。
「だっても、みんなが云うんだ、ずっとまえっから、ぼくたちはみんなとうちゃんの子じゃない、ほんとのとうちゃんはべつにいるんだって」と次郎は云った、「――ぼくだけじゃないんだよ、あんちゃんも花子も四郎も云われるんだよ」
父親はなだめるように笑った。
「人はいろいろなことを云うよ、とうちゃんのことだって、のろまでいくじなしって云ってるのを聞いたろう」良さんは喉で笑った、「――とんでもない、とうちゃんは力もあるし喧嘩もうまいんだ、小さいときには次郎の倍も喧嘩をしたし、一度だって負けたことなんかありゃしないんだよ」
良さんは左手のシャツの袖をまくって、二の腕を子供たちにみせ、そこに長さ十五センチほどの、茶色になった傷あとを示した。
「これはね、友達にナイフで切られたあとだよ」と彼は云った、「とうちゃんが小学校六年のときだったが」
そして彼は、受持の先生まで威すというクラス一の乱暴者を、どうやって叩き伏せたか、ということをしかたばなしで語った。ナイフで腕を切り裂かれながら、相手の鼻柱を殴りつけるところでは、子供たちは唇をひき緊め、身ぶるいをした。