Clásicos japoneses con furigana
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lee 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 201.379 caracteres · 394 pantallas
或るとき三人の紳士が、ふいに半助の家へやって来た。いずれも背広姿で、一人はハンティングをかぶり、他の二人は無帽だった。
三人とも見知らない顔なので、近所の人たちは好奇心にかられ、それとなくようすをうかがっていた。なにか異常なことがおこりそうだった。人づきあいをしない半助の家へ、突然そんなふうに、背広の紳士が三人も訪れて来るというのは、尋常な出来事ではないからであった。
だがこの期待は裏切られた。
「よう、やっぱりおまえだったんだな」と紳士の一人が云った、「ずいぶん捜したぜ」
半助の声は聞えなかった。
「あがらせてもらうよ」と他の紳士の云うのが聞えた、「じっとしてろ、手数をかけるじゃねえぞ」
ついで、なにか器物の音がしたが、乱暴をするとか、争うような音ではなかったし、半助の声は少しも聞えなかった。
用件はむずかしいものではなかったらしい、やがて三人の紳士が半助を伴れてあらわれた。紳士の内の二人が、なにか風呂敷包を抱えてい、半助を中にはさんで去っていった。紳士たちも半助も近所の人たちには言葉をかけなかったし、眼を向けさえもしなかったそうである。
「なんだろう、どうしたのかね」