Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lee 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 350.912 caracteres · 702 pantallas

Aozora Bunko

その時、若い身を法衣につつんでいる男が、茶屋をのぞいていった。

「オ。又八さんか」

光悦は、床几を離れ、

「――では、連れが待っていますから」

と、権之助へ、挨拶を残すと、権之助も共に起って、

「いずれ、大坂まで」

「そうです。間に合えば、夜船ででも、淀川から帰りたいと思いますが」

「――では、大坂まで、ご一緒に参りましょう」

権之助は、そのまま陸路を豊前の小倉まで行くつもりらしい。

若い妻を連れた灰屋の息子や、細川藩の留守居や、他の人々も、それぞれ一組になって、同じ道を、先へ行くもあり、後から来る者もあった。

又八の現在やら、以前の身の上ばなしなど、その途々、何かと語り種になった。

「どうか、武蔵どのが、首尾よくやればよいが、あれで、佐々木小次郎も、喰えぬ男だし、凄い腕を持っているからな……」

又八は、時々、憂わしげに呟いた。小次郎の恐るべきことを、彼はよく知っていたからである。

黄昏――

三人はもう大坂の人混みを歩いていたが、気がつくと、いつのまにか、又八が、連れの中から見えなくなっていた。

五

「どこへ行ったのやら?」

光悦と権之助とは、道をもどって、連れの姿を、夕方の往来にさがした。