Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lee 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 350.912 caracteres · 702 pantallas

Aozora Bunko

取次に出た、長岡家の家士は、彼のことばを受けながらも、この人がさては武蔵であるのかと、額ごしに、まじまじ見ていたが、

「まことに、行届いたご挨拶。主人はまだお城よりお退りはございませぬが、はや、間もなくと存じます。――どうぞお上がりくだされて、ご休息でも」

「忝うござるが、ただ今のご伝言さえ願えれば、それにて、他にべつだんの用もござらねば」

「でも、せっかくのお越しを。……後にて主人がいかばかり残り惜しゅう思われるかもしれませぬ」

と、取次の家士は、自分の一存だけでも、帰したくないように引き止めて、

「では、しばらくお待ちください。佐渡様にはご不在ですが、一応奥へ」

と、いい残して、急いで奥へ告げに行った。

すると、廊下を。

ばたばたっと駈けて来る跫音がした。――と思う途端に、

「先生っ」

式台から飛び降りて、武蔵の胸へ抱きついた少年がある。

「オオ、伊織か」

「先生……」

「勉強しているか」

「ええ」

「大きくなったなあ」

「先生」

「なんだ」

「先生は、わたくしが、ここにいることを知っていたのですか」

「長岡様の手紙で知った。そしてまた、廻船問屋の小林太郎左衛門の宅でも聞いた」