Clásicos japoneses con furigana
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つきとあざらし
小川未明童話集
小川 未明
Lee 小川未明童話集 (つきとあざらし) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 9033 caracteres · 20 pantallas
二
すると、よい金の輪のふれあう音がして、ちょうどすずを鳴らすようにきこえてきました。
かなたを見ますと、往来の上をひとりの少年が、輪をまわしながら、走ってきました。そして、その輪は金色に光っていました。太郎は目を見はりました。かつてこんなに美しく光る輪を見なかったからであります。しかも、少年のまわしてくる金の輪は二つで、それがたがいにふれあって、よい音色をたてるのであります。太郎はかつてこんなに手ぎわよく輪をまわす少年を見たことがありません。いったいだれだろうと思って、かなたの往来を走って行く少年の顔をながめましたが、まったく見おぼえのない少年でありました。
この知らぬ少年は、その往来をすぎるときに、ちょっと太郎の方をむいて微笑しました。ちょうど知った友だちにむかってするように、なつかしげに見えました。
二
輪をまわして行く少年のすがたは、やがて白い道の方に消えてしまいました。けれど、太郎はいつまでも立って、そのゆくえを見まもっていました。
太郎は、「だれだろう。」と、その少年のことを考えました。いつこの村へこしてきたのだろう? それとも遠い町の方から、遊びにきたのだろうかと思いました。