Clásicos japoneses con furigana
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つきとあざらし
小川未明童話集
小川 未明
Lee 小川未明童話集 (つきとあざらし) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 9033 caracteres · 20 pantallas
月は海豹にした約束を決して忘れませんでした。ある晩方、南の方の野原で、若い男や女が、咲き乱れた花の中で笛を吹き、太鼓を鳴らして踊っていました。月は、この有様を空の上から見たのであります。
これ等の男女は、いずれも牧人でした。もうこの地方は暖かで、みんなは畑や田に出て、耕やさなければなりませんでした。一日野良に出て働いて、夕暮になると、みんなは月の下でこうして踊り、その日の疲を忘れるのでありました。
男共は牛や羊を追って、月の下の霞んだ道を帰って行きました。女達は花の中で休んでいました。そして、そのうちに、花の香りに酔い、やわらかな風に吹かれて、うとうとと眠ってしまったものもありました。
この時、月は小さな太鼓が、草原の上に投げ出されてあるのを見て、これを、あわれな海豹に持って行ってやろうと思ったのです。
月が手を伸ばして太鼓を拾ったのを、誰も気付きませんでした。その夜、月は太鼓を負って、北の方へ旅をしました。
北の方の海は、依然として銀色に凍って、寒い風が吹いていました。そして海豹は、氷山の上にうずくまっていました。
「さあ約束のものを持って来た。