Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Lee 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) de 徳冨 蘆花 (とくとみろか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 129.742 caracteres · 256 pantallas

Aozora Bunko

約あれば待ちて居し晩餐の卓に、浪子は良人と対いしが、二人ともに食すすまず。浪子は心細さをさびしき笑に紛らして、手ずから良人のコートのボタンゆるめるをつけ直し、ブラシもて丁寧にはらいなどするうちに、終列車の時刻迫れば、今はやむなく立ち上がる武男の手にすがりて

「あなた、もういらッしゃるの?」

「すぐ帰ってくる。浪さんも注意して、よくなッていなさい」

互いにしっかと手を握りつ。玄関に出づれば、姥のいくは靴を直し、僕の茂平は停車場まで送るとて手かばんを左手に、月はあれど提燈ともして待ちたり。

「それじゃばあや、奥様を頼んだぞ。――浪さん、行って来るよ」

「早く帰ってちょうだいな」

うなずきて、武男は僕が照らせる提燈の光を踏みつつ門を出でて十数歩、ふりかえり見れば、浪子は白き肩掛けを打ちきて、いくと門にたたずみ、ハンケチを打ちふりつつ「あなた、早く帰ってちょうだいな」

「すぐ帰って来る。――浪さん、夜気にうたれるといかん、早くはいンなさい!」

されど、二度三度ふりかえりし時は、白き姿の朦朧として見えたりしが、やがて路はめぐりてその姿も見えずなりぬ。ただ三たび

「早く帰ってちょうだいな」