Clásicos japoneses con furigana
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
Lee 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 195.333 caracteres · 385 pantallas
四
四
この日も例によって例のような話が出るだろうという下心から、わざと廻り路までしていっしょに風呂から帰ったのである。年こそそれほど取っていないが、森本のように、大抵な世間の関門を潜って来たとしか思われない男の経歴談は、この夏学校を出たばかりの敬太郎に取っては、多大の興味があるのみではない、聞きようしだいで随分利益も受けられた。
その上敬太郎は遺伝的に平凡を忌む浪漫趣味の青年であった。かつて東京の朝日新聞に児玉音松とかいう人の冒険談が連載された時、彼はまるで丁年未満の中学生のような熱心をもって毎日それを迎え読んでいた。その中でも音松君が洞穴の中から躍り出す大蛸と戦った記事を大変面白がって、同じ科の学生に、君、蛸の大頭を目がけて短銃をポンポン打つんだが、つるつる滑って少しも手応がないというじゃないか。そのうち大将の後からぞろぞろ出て来た小蛸がぐるりと環を作って彼を取り巻いたから何をするのかと思うと、どっちが勝つか熱心に見物しているんだそうだからねと大いに乗気で話した事がある。するとその友達が調戯半分に、君のような剽軽ものはとうてい文官試験などを受けて地道に世の中を渡って行く気になるまい、卒業したら、いっその事思い切って南洋へでも出かけて、好きな蛸狩でもしたらどうだと云ったので、それ以来「田川の蛸狩」