Clásicos japoneses con furigana
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あいよあい
愛よ、愛
岡本 かの子
Lee 愛よ、愛 (あいよあい) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 46.138 caracteres · 99 pantallas
岡本一平論
「あなたのお宅の御主人は、面白い画をお描きになりますね。嘸おうちのなかも、いつもおにぎやかで面白くいらっしゃいましょう。」
この様なことを私に向って云う人が時々あります。
そんな時私は、
「ええ、いいえ、そうでもありませんけど。」などと表面、あいまいな返事をして置きますが、心のなかでは、何だかその人が、大変見当違いなことを云って居る様な気がします。もちろん、私の家にも面白い時も賑やかな折も随分あるにはあります。
けれど、主人一平氏は家庭に於て、平常、大方無口で、沈鬱な顔をして居ます。この沈鬱は氏が生来持つ現世に対する虚無思想からだ、と氏はいつも申します。
以前、この氏の虚無思想は、氏の無頼な遊蕩的生活となって表われ、それに伴って氏はかなり利己的でもありました。
それゆえに氏は、親同胞にも見放され、妻にも愛の叛逆を企てられ、随分、苦い辛い目のかぎりを見ました。
その頃の氏の愛読書は、三馬や緑雨のものが主で、其他独歩とか漱石氏とかのものも読んで居た様です。
酒をのむにしても、一升以上、煙草を喫えば、一日に刺戟の強い巻煙草の箱を三つ四つも明けるという風で、凡て、徹底的に嗜好物などにも耽れて行くという方でした。