Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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おしいれずいひつ

押入れ随筆

吉川 英治

Lee 押入れ随筆 (おしいれずいひつ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 6648 caracteres · 14 pantallas

Aozora Bunko

味噌遍歴

味噌遍歴

なにかで、味噌の蛋白質は、純粋蛋白というものだという科学的な説明を見てから、つとめて、みそ汁は欠かさぬものにしているが、すこし腹のぐあいがわるいと、どうもあの一椀も残してしまう。

日本人の中には、味噌通という者がいて、みその講釈はなかなかうるさい。名古屋の人は三河ミソ、越後人だと越後ミソ、信州は諏訪ミソ、上方の白ミソといったふうに、鮎の産地に次いで、ミソのお国自慢もよく聞かされることである。

だが、私たちのように、郷土をもたない人間には、これといって、かくべつ吹聴したいヒイキ味噌もない。で、自然、諸家の説に服すしかなく、おかげで諸国のみそを遍歴したが、この頃では、浅草二天門の老舗が取次いでいる四種類のみそを、交互に更えて、用いている。

だいたいが、佐渡みそ、越後みそ、仙台みそ、田舎みその四種である。田舎みそなんていうのは、元来、無いはずだから、これは各地の長所を交ぜ合せた味噌のカクテルなんだろう。わが家ではいま、この田舎みそを用いているが、これがなかなか捨てがたい風味なので、永井竜男氏と、みそ汁の話が出たついでに、送ってあげる約束をした。