Clásicos japoneses con furigana
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いけぶくろのかい
文藝別冊[総特集]岡本綺堂
岡本 綺堂
Lee 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 72.671 caracteres · 149 pantallas
しかしその女が湿しおたれて居ると云うのを見れば、或は水死した者ではあるまいか、とてもの事に池を探して見ろと隼人が云う。
何さま斯の邸には大きな池があって、水の淀んで碧黒い処には水草が一面に漂っていて、夏になれば蛇や蛙宮守の棲家となる、殊にこの池は中々底深いと聞くから、或はこの水中に何物か沈んでいるのではあるまいか、物は試しで一応その掻堀をして見ろと云うことになって、下男や家来共はその用意に取かかる処へ、この噂を聞いて奥から怖々出て来たのは、当年八十歳の女隠居で、当主隼人の祖母に当る人だ。見ると、手には珠数を爪繰って、口には何か念仏を唱えている。
この隠居が椽端近く歩み出て、今や掻堀を面白半分に騒ぎ立つ家来共を制して、もうもうそれには及びませぬ、縡の仔細は妾が能う知っていますと云うから、一同も不思議に思ってその顔を見つめていると、隠居は思わず大息ついて、アア悪い事は出来ぬもの、成ほど住も迷って来ましょう思えば怖しい事、南無阿弥陀仏と念じながら、ここに語り出す懺悔噺を聴くと、当主の祖父が未だ在世の頃、手廻りの侍女にお住と云う眉目妍い女があって、是に主人が手をつけて何日かお住は懐妊の様子、これをその奥様即ちこの隠居が悟って、お定まりの嫉妬から或日の事、主人の殿が不在を幸いに、右のお住を庭前へ引据えて散々に折檻