Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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いけぶくろのかい

文藝別冊[総特集]岡本綺堂

岡本 綺堂

Lee 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 72.671 caracteres · 149 pantallas

Aozora Bunko

の怪異を見る事となった。ある日の夕ぐれ、突然にドドンと凄じい音がして、俄に家がグラグラと揺れ出したので、去年の大地震に魘えている人々は、ソレ地震だと云う大騒ぎ、ところが又忽ちに鎮って何の音もない。で、それからは毎夕点燈頃になると、何処よりとも知らず大浪の寄せるようなゴウゴウという響と共に、さしもに広き邸がグラグラと動く。詰合の武士も怪しんで種々に詮議穿索して見たが、更にその仔細が分らず、気の弱い女共は肝を冷して日を送っている中に、右の家鳴震動は十日ばかりで歇んだかと思うと、今度は石が降る。この「石が降る」という事は往々聞く所だが、必らずしも雨霰の如くに小歇なくバラバラ降るのではなく何処よりとも知らず時々にバラリバラリと三個四個飛び落ちて霎時歇み、また少しく時を経て思い出したようにバラリバラリと落ちる。けれども、不思議な事には決して人には中らぬもので、人もなく物も無く、ツマリ当り障りのない場所を択んで落ちるのが習慣だという。で、右の石は庭内にも落ちるが、座敷内にも落ちる、何が扨、その当時の事であるから、一同ただ驚き怪しんで只管に妖怪変化の所為と恐れ、お部屋様も遂にこの邸に居堪れず、浅草並木辺の実家へ一先お引移りという始末。