Clásicos japoneses con furigana
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いけぶくろのかい
文藝別冊[総特集]岡本綺堂
岡本 綺堂
Lee 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 72.671 caracteres · 149 pantallas
何しろ、これまで曾て人を傷つけたことの無いこの石が、鉄砲を持出すと直ちにその人を撲つというのは如何にも奇怪で、何でも怪しの物が潜んでいるに相違ないと、更に家探しに取かかって、座敷内は云うに及ばず、天井裏まで取調べたけれども、更にこれぞと云う手懸もなく、また庭の内には狐狸の住家らしい穴も見当らぬので、ただ不思議不思議と云い暮して日を経る中に、ある者の説に曰く、昔からの伝説に、池袋村(北豊島郡)の女を下女に雇うと、不思議にもその家に種々の怪異がある。これは池袋の神が我が氏子を他へ遣るのを厭って、かかる祟を為すのだと云う、で、今度の不思議も或はその祟ではあるまいか、念の為にこの邸の下女を調べて見たらば可かろうとの事。成ほど、そんな事があるかも知れぬと、侍女下女を一々取調べた所が、果してその中に池袋生れの者があったので、当人の知った事ではあるまいが、兎も角もこれに長の暇を出して、さてどうであろうとその後の模様を窺うと、石は相変らず降る。エエ何の事だ、池袋も的にはならぬと愚痴を飜していると、それから二日経ち、三日経つ中に、石は次第に数が減って、五六日の後には一個も降らぬようになったのも不思議、しかもその後には何の怪異もなかったことはいよいよ不思議。