Clásicos japoneses con furigana
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いけぶくろのかい
文藝別冊[総特集]岡本綺堂
岡本 綺堂
Lee 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 72.671 caracteres · 149 pantallas
「判りました。よろしゅうございます。」
「え。それでは聞いてくれるの。」
「はい。」と、お菊は誓うように答えた。
お熊は何にも云わないでお菊を拝んだ。その途端に、隣に寝ていたお久が不意に此方へ向いて輾転を打った。お菊は吃驚して見かえると、それを相図のようにお熊は窃と起った。どこかで既う一番鶏の歌う声が聞えた。
それから八日目の九月十一日の夜半に、お菊は厳重に縛り上げられて白子屋の店から牽き出された。名主や五人組も附添って、町奉行所の方へ急いで行った。夜露がもう薄い露になっていて、地に落ちる提灯の影が白かった。
北の町奉行は諏訪美濃守であった。お菊はその夜主人又四郎の寝間へ忍び込んで、剃刀で彼が咽喉を少しばかり傷つけたと云うので主殺しの科人として厳重の吟味を受けた。お菊は心中であると申し立てた。かねて主人と情を通じていたが所詮一所に添い遂げることは能ないので、男を殺して自分も死のうとしたのであると云った、相手の又四郎も翌日呼び出されたが、彼はお菊の申し立てを一切否認して、白子屋は悪人どもの巣であると云った。入婿の自分は今まで何事にも虫を殺して堪忍していたが、第一に女房のお熊は手代と密通しているらしいと云った。