Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lee 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 684.899 caracteres · 1374 pantallas

Aozora Bunko

関の番卒といい、牢営内の役人までも、柴進の家の者と聞けば、疑いもしない。

それとこの両三日は、城外城内、ひと通りな騒ぎでなかった。牢営長官の愛児が、盂蘭盆会の夜、地蔵寺の池で溺れ死んだ。そして傅役の朱同が当夜からいなくなったという、それの詮議や家ごとの町調べだった。

しかし、こういう捜査の手すら、柴家の内へは決して臨んで来ることはない。治外法権の門といったかたちである。かくてはや四、五十日はいつか過ぎた。その或る日のことだった。――どこから来た使いやら飛脚やら、秋、静かなここの門へ、一封の書がとどけられた。

「大旦那さま。ただ今、高唐州からこんなお手紙でございますよ」

あわただしく、侍女はそれをすぐ、柴進の室へ持って来た。

「おや、火急とある」

柴進は、封を切った。読みゆくうちに、やや手がふるえてみえる。何かよほどな大事でも起ったらしい。

「柴の旦那え。……もし大旦那」

「あ、李逵。そこにいたのか」

「おいいつけで、外から窓框の拭き掃除をしておりやしたが、何か、えらいこッても持ち上がったんでございますか」

「むむ……ちとなア。……だが、おまえに話してみたところで仕方がない」