Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lee 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 684.899 caracteres · 1374 pantallas

Aozora Bunko

「そうだろう。だが夕方の帰りがけには、しこたま猪の肉や鳥を土産に置いてくからな。酒も届けさせておこうよ」

「そいつは愉しみだ。お願いしますよ旦那」

「心得た。だが役目は役目だ。一応、供の連中を一人一人調べてくれ」

「御法度の明るい旦那のこと。そんな必要はありませんや。さあお通ンなすって」

「でも、万一お供の中に、お尋ね者の人間が紛れこんでいたらどうする」

「わはははは。ご冗談を」

「はははは。じゃあ、ご免っ――」

同勢三十余人。まんまと、こうして馳け通ってしまったのだった。

やがて十里も行ったところで、林冲一人が、その中から途をかえて別れ去ったのはいうまでもない。以後、彼の旅路は二十日あまりの山野をいそぎ、やがて朔風肌を切るような雪もよいの或る日、見わたす限り蕭条として葭や枯れ芦の江岸にたどり着いていた。

渡船場らしい水際に、酒屋の旗をかかげた茶店が見える。そこで、一杯ひっかけているうちに、一と癖ありげな茶店のおやじが、じろと林冲を眼で撫でまわして。

「旅人。あんたアこれから、山東のどこへ行こうって、おつもりだね」

「そいつアこっちから聞きたいところさ。亭主、ここの渡舟はどこへ行くのか」