Clásicos japoneses con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lee 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 684.899 caracteres · 1374 pantallas
単純むしろ愛すべく、野性、憐れむべきであるが、なお人間らしき人間たる、真性だけは失っているものではない。
これを捨てず、これを刑せず、もし愛情と同鬱の友となって、よく用い、また善導しつつ、いまの糜爛社会に何らかの用途と生きがいをも与えて、ともに、世を楽しむ工夫はないものか。……あれば、宋朝治下の塗炭の民土に、一颯の清風と、一望の緑野を展じるものと、望みをかけ得られないこともないのだ。
「……晁蓋どの」
やっとその沈思から面をあげた呉学人は、
「おやんなさい。智恵も貸しましょう」
ぼつんとだが、一語は明晰に、また断の力がこもっていた。
「えっ。ではお智恵も貸してくださいますか。じつは昨夜、妙な夢を見ましてね」
「どんな夢を」
「北斗七星が、てまえの屋敷の棟へ堕ちてきた夢です。変な、と思っていたら今暁の出来事……吉か凶か、判断に迷っていましたが、先生のおことばで、力をえました」
「だが、わしがやめろといっても、怖らく思い止まるまい」
「ご明察どおりです。この晁蓋にすれば、なにも危ない橋は渡らずとも、家代々の荘院、食うにも着るにも困る身じゃございません。けれど、いまの世を見渡して、どうにも、腹から愉しめぬものが、日ごろ、もやもやしていたもンです。