Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lee 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 684.899 caracteres · 1374 pantallas

Aozora Bunko

史家の奉公人頭に王四という男がいる。使者にはこの男に作男一人をつけてやった。二人が麓まで行くと、山賊の見張りに捕まった。しかし、

「九紋龍さまのお使いで」

と聞くや、彼らが先に立って、山寨へ案内した。なおまた、朱武たち三頭目も、王四の労をねぎらって、下へもおかない。酒や馳走を出して、

「一日も史進どののご恩は忘れていない」

といったりした。そして、使いの二人へ、帰りがけには十両の銀子をくれた。

史進は、王四の復命をきいて、

「そんなに歓んだか。また、そんなにも、おれのことをいってたのか」

と、これも悪い気はしなかった。

こうして、彼らとのつきあいが深まるにつれ、史進は相手が山賊であるなどという念もなくなっていた。ただ男と男の交わりとしていた。

そのうちに、秋もなかばの頃、史進は月見の宴を思い立った。ひとつ仲秋の名月に酒壺を開いて、あの朱武、楊春、陳達らの三人と、思うさま飲んだり話してみたいものだと考えた。そこでまた、いつもの王四に、招待状を持たせて少華山へやった。

朱武たちが歓んだのはいうまでもない。

「――必ずまいる」

と返書をしたため、それに四、五両の使い賃をのせて、王四へ渡した。