Clásicos japoneses con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lee 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 684.899 caracteres · 1374 pantallas
しかも古来たびたび、匈奴の南下に侵された歴史の古い痍跡は、今とて、どこかここの繁華に哀しい陰翳を消していない。
「おや、ここでもまた、掲示に人だかりがしてやがる。この辺まで落ちてくれば、もう、よもやと思っていたのになあ」
辻の人混みにまじって、魯達は暢気そうに、逮捕告示と、自分の人相書を眺めていた。
――代州雁門県署、コレヲ告示ス。
渭州ニオケル殺人犯ノ軍籍者、提轄魯達ナル凶徒、コノ地方ニ立廻ラバ即刻、官ヘ速報スベシ。庇護行為ノ者ハ同罪タルベシ。モシ又、上告ノ善ヲ為スアラバ、即チ、賞一千貫文ヲ降サルル者也
魯達のすぐ耳のそばで、声を出して読んでいる男や、杖の上に白髯の顎を乗せている老翁や、心憶えに筆写している書生風なのや、女や労働者や物売りやら、なんとも雑多な陽溜りの匂いが蒸れ立っている。
それを他人事みたいな顔で眺めていた魯達は、
「……お、おい。なにをするんだ、なにを」
しきりに、自分の袂を引ッ張る後ろの老爺を振り向いて、眼にかどを立てたが、
「おや、おぬしは翠蓮の」
「しっ。……ま、こちらへ」
老爺は遮二無二、彼を人なき所まで引っ張っていった。そしてさて、大きな吐息を一つあらためてほっとついた。