Clásicos japoneses con furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lee 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 337.181 caracteres · 676 pantallas
又、日光御社参の砌りにも、奉行の大名方は、吉良の為に、何れほど泣く目を見たか知れぬという。――と聞けば取るにも足らぬ俗人じゃ。吉良の、四位の少将のと、人らしく思えばこそ腹が立つ。虫螻と思うているのじゃ。……呉々も、案じぬがよい。内匠頭とて、浅野又右衛門長勝が末、赤穂の城には、まだまだ、多くの愛すべき家来共も居るに、なんで、高家の老ぼれと、それとを、取り替えようぞ。わかって居る、もう、云うな』
『安心いたしました……。何も、何も申しませぬ』
『不吉だぞ』
源五右衛門と、与五郎は、あわてて、顔を横にそむけた。不覚にも、つい、こぼれてしまった涙の痕を、手で拭き消した。
表方から、
『お時刻』
と、告げる。
内匠頭は、湯浴みをして、式服を着けた。刃金を鎧う気持であった。自分の心が危ういのだ。
高家の達しで、式服は長裃と定めていた。すでに、それを身に着けてからである。老臣のうちで、疑う者があって云った。
『晴れの大礼に、長裃の御着用は、心得ませぬ。吉良どのの為され方、事毎に、不審ばかり。念のために、途中だけ長く遊ばされて、べつに、大紋御烏帽子の御用意もあっていかがかと存じまする』