Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
にちげつさま
日月様
Lee 日月様 (にちげつさま) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 11.162 caracteres · 23 pantallas
私が精神病院へ入院しているとき、妙な噂が立った。私が麻薬中毒だというのである。警視庁から麻薬係というのが三人きて、私の担当の千谷先生や、係の看護婦がひどい目にあったらしい。二時間にわたってチンプンカンプンの応接に苦しんだということをきいた。さすがに東大病院は、患者に会わせるようなことはしない。会えば誤解は一度に氷解するが、麻薬中毒とは別の意味で患者が怒りだし、それによって、せっかくの治療がオジャンになる怖れがあるからであろう。
科長の内村先生(大投手)担当の千谷先生(大捕手)のお許しで後楽園へ見物を許された。後楽園のない日、千駄木町の豊島与志雄先生を訪ねた。豊島さん曰く、
「君、麻薬中毒なんだろう」
「違います。催眠薬の中毒はありましたが、麻薬中毒ではありません」
「おんなじじゃないか」
私は逆らわなかった。
そのうち酒がまわり、談たまたま去年死なれた豊島さんのお嬢さんの話になった。腹膜で死んだのだ。非常な苦痛を訴えるのでナルコポンを打ったという。すぐ、ケロリと痛みがとまったそうである。
そこで、拙者が、云った。
「ナルコポンというのは麻薬です。太宰がはじめて中毒の時も、パントポンとナルコポンの中毒だったそうです。