Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lee 日本婦道記 (にほんふどうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 10.765 caracteres · 21 pantallas
二
突き刺すようなするどい痛みに、思わず冰った地面へ膝をついたとき、その痛みといっしょに日頃のがまんがきれ、身も世もなく悲しくなって泣きだしてしまった。
仲人の蜂屋伊兵衛が来はじめたのはそれから間もなくのことだった。良人のほうから訪ねるようすだった、三度めかに来たとき、伊兵衛は菊枝をそっと呼んで、
「どうやらすえ遂げぬ縁のようだ、そのつもりでいるほうがよいぞ」
と囁いていった、菊枝はまっ蒼になって身をふるわせていた。
二
菊枝の父は上杉家の三十人頭で仲沢庄太夫といい、すでに隠居して長男門十郎に跡目をゆずっていた。菊枝は登野村三郎兵衛から蜂屋をとおして望まれた縁であった。登野村は五十騎組から出た家がらで、食禄も少なく貧しくもあったが、執政の千坂対馬にみとめられ、その奉行所でかなり重い役目を勤めていた。酒も嗜まず、温和で頭のよい将来を嘱望されている人物だったから、父も兄ものりきで縁組をしたのであった。そういうわけなので、まだ嫁して半年そこそこの離縁ばなしは仲沢家の者をひどく怒らせた、菊枝の気づかぬところで幾たびも折衝があったらしい、けれどもついに離縁ときまった。