Clásicos japoneses con furigana
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めいあん
明暗
Lee 明暗 (めいあん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 322.590 caracteres · 645 pantallas
沈黙が二人の間に続いた。その沈黙の続いている間彼は苦い顔を改めなかった。
「そんなに痛くっちゃ困るのね。嫂さんはどうしたんでしょう。昨日の電話じゃ痛みも何にもないようなお話しだったのにね」
「お延は知らないんだ」
「じゃ嫂さんが帰ってから後で痛み始めたの」
「なに本当はお延のお蔭で痛み始めたんだ」とも云えなかった津田は、この時急に自分が自分に駄々っ子らしく見えて来た。上部はとにかく、腹の中がいかにも兄らしくないのが恥ずかしくなった。
「いったいお前の用というのは何だい」
「なに、そんなに痛い時に話さなくってもいいのよ。またにしましょう」
津田は優に自分を偽る事ができた。しかしその時の彼は偽るのが厭であった。彼はもう局部の感じを忘れていた。収縮は忘れればやみ、やめば忘れるのをその特色にしていた。
「構わないからお話しよ」
「どうせあたしの話だから碌な事じゃないのよ。よくって」
津田にも大よその見当はついていた。
九十四
「またあの事だろう」
津田はしばらく間をおいて、仕方なしにこう云った。しかしその時の彼はもう例の通り聴きたくもないという顔つきに返っていた。お秀は心でこの矛盾を腹立たしく感じた。